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ウイーン冬(1)ドナウ公園

冬のヨーロッパに行くものではない。日照時間は短いし、とにかく寒い。

そんなことは承知の上で、年末年始の休暇がいつもより長いのを唯一のチャンスと思い、深い考えもなく旅行の手配をしてしまった。

前年の1989年11月にはベルリンの壁が崩壊し、新年早々には湾岸戦争が始まるかもしれないという世界情勢が風雲急を告げている1990年の年末の話である。

 

家族とともににパリ経由でウイーンの空港に降り立った時、まるで冷凍庫を覗いたときのような顔のしびれを感じた。とにかく日本で経験したことのない空気の冷たさであった。

それでも翌朝早くにはホテルを出て、木々が凍りついて周りの景色全体がシャーベットトーンのドナウ公園を、霜柱をゆっくり踏みしめながら散策を楽しんでいた。

 

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近くに世界の国旗がはためく国連のウイーン国際センターのビルがあったが見物する気はなく、まずはドナウ河の畔へと向かった。

 

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ボヘミアの平野へと続くドナウ河の悠然とした流れを見たかったが、大河はすっかり凍結していた。川べりから氷の下を覗いていた中学1年の娘がメダカのような小さな魚が泳いでいるのを見つけてはしゃいでいた。

 

かくして、私の海外初体験ヨーロッパへの旅は冬のウイーンから始まった。

最初の目的のドナウ河はひっそりとせせらぎの音もなく、氷に覆われた水面がきらりきらりと朝日に輝いていたが、これがあの美しく青きドナウかと、ウイーンに来た喜びと痺れるような風の冷たさをかみしめながら、次の訪問先のプラター公園に行くためドナウ公園駅へと急いだ。

 

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 (これは凍結していないドナウ河)

 


    
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